でも、病室だと思って駆け込んだ場所は、教室のようでした。 散乱した机を、まるでバリケードとでもいうかのように囲って、中心には子供がもぞもぞと身体を寄せ合っていました。 まるで戦時中のような坊主頭に、光の差さない空虚な瞳。 薄気味悪いと感じながらも、頼るもののない寂しさから、私は声を掛けたのです。 あの鬼から、逃れる術はありませんか? 私は必死でした。 何より心細かったのです。