「そのショックで?親が狂った?」
柚月の言葉に首を振る。
「当たり前かのように、私が可笑しいのかと思うぐらい私は妹の花だった。
戸籍では私が死んでるの。妹の花の戸籍で私は生きてるの。
クズ親に何度も説得された。顔も声も身長も髪型も髪色も一緒だったから大手製薬会社の息子と結婚しろだの。あ、これ花がさせられた政略結婚の続きね、もうとりあえず花になれってひたすら言われ続けた。
冗談だとか、最後は流石の親も許してくれるって最初は思っていたけれど無理だった。
そこからだよ本格的にクズ親になっていったのは。
明くる日も明くる日も殴られて。花になれー花になれーって殴られ少し花っぽくすれば褒められて頭撫でられて抱きしめてくれて。
小さい頃されてないから余計寄りかかりそうだったよ。
挙句の果には自分の部屋で氷水かけられて中から出れないように外から鍵されて極寒に耐えて風邪引いて。
花みたいにしてれば花の部屋に連れて行かれて看病してもらえて優しくしてもらえて少しユリが出るとまた氷水の繰り返し。
本当蝕まれて花みたいに話せるようになったし花みたいに笑えるようになったけどある日突然花が夢に出てきてアイツ等クズ親だからそれ忘れるなって。
ユリはユリで生きて幸せになれって言ってくれて目が覚めた。
それから氷水掛けられて優しくされると暴れるようになってもう洗脳されたくなくて誰の声も聞きたくなくて壁に頭打ち付けて意識飛ばすようにして、ほぼ花のときは考えてもしなかったのに逃げ出せるまで洗脳緩んだから逃げてきた。」