【冬馬】


「え!?おい!冬馬(とうま)!!!!!!」

「なんですか?騒がしいですよ。柚月(ゆずき)」


柚月がギャーギャー騒ぎながら
指を指してる方に目をやる


「なぁ!これって死んでんのか?」

「知りませんよ。さぁ帰りますよ」


そこにはぐったり壁にもたれかかってる
1人の女がいた。意識はなさそうだ。

いつもは柚月の運転する車だが
今日は柚月が飲んで帰ってきたからタクシーと歩きだった。
こんな日に柚月が興味持ちそうなのが落ちてるとか
タイミング…

タクシーで家の前まで送ってもらえば
こんなことにならなかったなのに…
柚月が「気分」とか言って途中で降りて散歩がてら
歩いて家に向かったことを止めなかった自分を責めたい。


「俺、これ欲しいわ!綺麗じゃねえ?体つきも良さそうだし」


目をキラキラさせ探し求めていた
新作ゲームを見つけたかのような目で
俺を見る柚月。


「理由は?」

「最近いい女とできてねぇから」

「はぁ。バカじゃないんですから。」


呆れながらも脈を見る


「どう?」

「すぐ病院に運べばどーにかなるんじゃないですか?」