少し低い、悲しそうな声が聞こえて、思わず顔を上げてしまう。


アイツの顔を見ると、すごく切なそうな顔をしていた。


……なんて顔してんのよ………。


「なんでそんな顔してんのよっ!意味わかんないんだけど!!」


自分が顔が赤いのも忘れて、あたしはアイツにそう言う。


「なんでって……。お前がそんな態度を取るからだろ!?」


なぜか怒られて、「もういい」そう言ってアイツはそのまま先に行ってしまった。


「なにそれ……」


なんで怒ってんのよ。


アイツの怒る理由がわかんない。


アイツの気持ちが、わかんないよ………。


「おはよ……」


教室に入って友達にそう言う。


「おはよ〜!なんかテンション低くない?」


「ん…。ちょっとね」