「……紅葉、綺麗だね」


「お前、そういうの好きだったっけ?」


秋。


あの子とアイツが別れたから、また登下校をするようになった。


もちろん、電話やメールも。


「好きだよ。秋って文化祭とかあるし、いい季節だもん」


「ふはっ!似合わねぇ〜!」


そう言って吹き出すアイツ。


「ちょ、失礼ね!あたしだって、こういうの好きなのよ!!」


「お前は、どちらかと言えば夏とかだな。元気なとこがぴったり」


ニコッと微笑むアイツ。


その笑顔にドキドキした。


ヤバイ……。収まれ、心臓……。


「そ、そう言うあんただって夏とかの方がお似合いだけど!?」


「おっ、いいじゃん!二人とも息ぴったりみたいで」


精一杯言い返すような感じで言った言葉なのに、アイツのその台詞でさらにドキドキしてきた。