『何か、言いたい事があるようだな』



署に戻り、取調室に入った。

けど、斗志樹と斗真が連行して入った為、私は七星とマジックミラーの窓のある壁を1枚隔てた場所で待機。

スピーカーから聞こえる斗志樹の声。

男は斗志樹に頭を下げた。



『俺は……果てしなく情けない男なんだ……』



『何か、やったのか』



『もう、3年前……。いや、何年経とうと許されないが、好きな女の為に、木ノ島東で轢き逃げをした……』



「――…ッ!!」



「愛依ちゃん!!」



年数を聞いただけで揺らいだ心。

だが、明かされた事実に、七星に支えられたが、倒れそうになった。

マジックミラーで、オマケに防音。

なのに、斗真と斗志樹の視線がこちらに向けられた。



『今は妻なんだが、昔から精神科に通ってて……たまたま病院で知り合ったんだ。可愛くて、気さくだった……。何故、入院してるのか聞いたら、信じてた男を取られたって……。深く深く傷付いてる姿に、妻から男を取った女が憎かった。何で……こんな子を傷付けるのかと。けど、いつしか男の方が許せなかった……。どうして妻を選ばないのか……。妻を苦しめてるのに、悠々と幸せに過ごしてると聞いて、居たたまれなくて……。偶然、写真で見たその男を見掛けた瞬間……アクセルを全開で踏んでた……。友達と居たようと関係なく、轢いてた……』



「……っ……」



そんな理由で悠呀を死なせたの……?

斗志樹を苦しめたの……?