「今、どこから電話をしてるの?」



『ネットカフェの外から……』



「そう。じゃあ、自分の携帯から何だね?」



逆探知をしようとも思ったけど、彼は訊けばちゃんと答えてくれると確信。

しかし、平日の昼間に何をしてるのか。

学校はどうしたのか。



「今から木ノ島署に来れる?お話しよう」



『え……。逮捕ですか……?』



「しないよ。犯罪にはならない」



『でも……怖い人……』



「あぁ。大丈夫よ。私と話をしましょう」



怖い人とは、聞かずとも斗志樹の事だろう。

けど、彼も大人。

来て話すだけで真っ先に怒る事はない。

迷いながらも、「わかりました」と言った少年。

仕事を中断し、迎え入れる準備をしてると、案内係に連れられて、少年がやって来た。

写真で見るより遥かに幼く、私は七星を率いて涼しい課長室へと案内した。

オドオドしてる彼に冷たく冷えたオレンジジュースを出すと、いきなり謝られた。



「謝罪はね、後でも良いの」



「君、学校はどうしたのかな?」



「不登校です……」



七星の問い掛けに、正直に答えた少年。

何となくわかってたとは言えないが、まあそうなんだろう。

こんな時間に、学校に行かずネットカフェに行こうとしたんだから。