「木ノ島2丁目で火災。以前からの放火と似ており、今回も同一犯の可能性ありとの事」



5月中旬。

朝から火災の一方が入り、私は全員を出動させた。

課長は本庁へ行っていて、私は残る事に。

状況を無線で確認しながらも、私は課長に連絡を入れ、現場からの報告を待つ。



「難波主任!」



そこへ、窓口に居る案内課の婦人警官である1人が慌てた様子で現れた。

私は立ち上がり、「何?」と問い掛けた。



「1階の女子トイレに、爆弾のようなものが置かれてます……!」



「はぁ!?」



重なる時には重なる。

私は全指揮を斗真に任せると無線で伝え、1階へと向かった。

連れて来られたのは、署員専用ではなく来客専用のトイレで、何者かに投棄された物だとわかる。

爆弾処理については資格があり、大抵のモノは解除は出来る。

しかし、今回は密閉型で開けたら5分で爆発する仕組みにされていた。

開けなくても、“1時間で爆発する”と言うメモあり、投棄された時刻がわからない為、一刻の猶予もない。

私は署員たちの退避を命じるように伝えて、ドライバーとペンチを用意した。

逃げる足音を聞きながら1人、爆弾を見つめる。

精神統一の為に深呼吸をして、蓋に填まるネジを外した。