タクシーにも無事に乗れ、自宅へと向かう。

主任になり、出動の回数は減ったものの、遣り甲斐がある事に変わりはなくて、パソコンと睨めっこしてても悔いはない。

仕事の事を思い返してると、タクシーは赤信号に引っ掛かった。

暗がりの中にある、眩しいほど光が届くコンビニ。

入り口には1台のワンボックスカー。

最初は夜中にお客さんなんて大変だ、何て思って見ただけ。

しかし、様子がおかしい。

車の脇で辺りの様子を窺う1人の男と、店内を物色してる男が2人。

…ソワソワし過ぎじゃない?



「……出したっ」



私の勘は当たり、1人の男がコンビニの店員に刃物を突き出した。

これは、明らかに強盗。



「警察に通報!そして、木ノ島の難波が居ると伝えて!強盗!」



タクシーの運転手さんにそう言って、私は車から飛び降りた。



「退けや――ッ!!」



そして見張り役を蹴って気絶させ、店に入った。



「警察。観念してナイフを捨てな」



「うるせぇ!来るな!」



人通りのない場所にあるコンビニで強盗なんて、随分と勇気がない男たち。

私はカウンターを飛び越えて、店員の殺陣となった。

銃は署に置いて帰る事が義務の為、威嚇する武器などはない。

だが、避ける事や護身は可能。



「他の警察がもうすぐ来る。今止めたら罪は軽く済む」



「うるせぇっつってんだろ!!」



こんなに興奮されてたら、上手く手出しは出来ない。