「もうすぐパパの誕生日だから、プレゼント探そうね」



「……うん」



10月の中旬の土曜日。

私は悠斗と愛有斗を連れて、ショッピングモールへと来た。

抱っこ紐で眠る愛有斗。

そして、数週間を過ぎても期限の戻ってない悠斗の手を引いて、紳士服が並ぶショップへと入る。

「これどうかな?」と見せても、悠斗は返事をせずにそっぽを向いてる。



「疲れた?」



「ううん……」



「抱っこする?」



「しない……」



プレゼントはまたの機会にし、今日は帰ろうか。

だけど、悠斗が選んだとなると、斗志樹は喜ぶだろう。



「ジュース飲もうか」



「うん」



イートインスペースのあるドーナツ屋さんへと入って、休憩タイム。

アイスコーヒーとオレンジジュース。

そして、悠斗の好きなフレンチドーナツを頼んだ。



「悠斗、まだパパとママが嫌い?」



「……パパは、“もうちょっと待ってて”って。ママは……?」



「悠斗が理由を言ってくれたら、すぐかも知れないね」



「……ボクー……」



「ん?」



「「「『キャー…ッ!!;;』」」」



「――何っ!!?」



ようやく悠斗が教えてくれるかと思った。

それは悲鳴に邪魔されたけど。