「2人ともその位にしないと、辛いのは悠斗よ」



「…………」



「そうやな」



父親は大人しく従うも、私は黙って踵を返し、2階へと上がった。

何もする気が起こらなくなり、母親に斗志樹の分も作るように頼み、斗志樹には1階で食事をするようにメールし、愛有斗の横に寝転んだ。

どんなに忙しくても。

送り迎えを1週間も母親に頼んでも、悲しそうな顔をしたり、あんな事を言わなかった悠斗。

たった一言、“キラい”という言葉は、私の胸に深く突き刺さった。



「悠斗、お義父さんと寝た。俺もかなり、責められた」



「けど、斗志樹には理由を言ったって事……?」



「言った。でも、俺からも言わない。俺は、愛依を信じてる」



「…………」



私を信じてくれてるのは嬉しく、ありがとうって思う。

なのに、何を信じて言ってるのか、わからない。

間違えてる事があるなら言って欲しい。

じゃなきゃ、直せないじゃん。

今の気持ちで悠斗に許しを請う為に謝り倒しても、何の解決にもならないだろうし……。



「母親は私でしょ……?」



それなのにこの疎外感。

何で誰も教えてくれないの……。