だけど、これ以上の深入りを避けてくれてありがたかった。

このまま気持ちを吐きすぎたら、私は本気で辞めるかも知れない。

同じ警察である事に変わりないのに、仕事を選り好みする人間になど、思われたくもない。

夜中に斗志樹の携帯が鳴った時、一緒に家を飛び出そうとしたり、癖が抜けない。

今、どんな案件を扱ってるのか、訊いてしまいそうになる。

小さい子供が、どれだけ両親を求めるかわかってる筈なのに、どうしてこんなに刑事へこだわってるんだろう。

悠斗が誘拐された時、刑事で有り続けようとする自分に嫌気も差したのに。



「ママ……?」



「ん?どうかした?」



「どうして、いっぱいボクと居れるの?お仕事は?ボクのせいなの?」



「違うよ。ママが悠斗と愛有斗と居たいの。パパがそのお願いを叶えてくれたの。お仕事もちゃんとしてるから、心配しなくて大丈夫よ」



「……パパ、優しくない」



「え?優しいでしょ?ママのお願いを叶えてくれたんだよ?」



「優しくない!パパは良い子なフリしてるんだ!もうボク、良い子にしない!」



「――悠斗ッ!何て事を言うの!」



「パパもママもキラい!お祖父ちゃんの悠斗になる!」



「悠斗……っ!」



1階に駆け下りて行く悠斗。

私は何か、間違ってる……?