いつも当たり前だったのに、改めて過ごすと、家族の存在価値が良くわかる。

子供の時、こうして両親と斗真の家族4人で枕を並べた記憶は、数える程しかなかった事を思い出すと、この決断に間違いも感じない。

刑事を辞めても、私には母親としての時間が増えて、違う充実した日々が過ごせるなんて、幸せなんだから。



「寝れなかったのか?」



「寝たよ。ちょっと、早く起きちゃったけど」



愛有斗は夜泣きが少なく、夜はぐっすり寝れてる。

でも、夜中に目覚めてから二度寝が出来ず、子供たちや斗志樹の寝顔を眺めてると、いつも通りの6時半に目を覚ました斗志樹。

どんなに寝るのが遅くなっても、決まった時間に起き、新聞を読み、子供たちと少ない時間で遊んで出勤する斗志樹って、凄い。

私には真似出来ない。

仕事面でも、父親としても、完璧に熟してる。



「愛依」



「新聞は?」



「後で良い。たまには愛依と、のんびりした後も良いだろ?」



2人でベッドを出て、コーヒーと新聞を斗志樹に持って行くと、腕を引かれた。

ソファーに並んで座り、肩を抱かれ。

朝はいつも慌ただしかったから、たまにはの事で、本当に良いかもね。