「――本気でこれを?愛依、何だったら、私から働きかけても良いんだぞ?」



「斗志樹とも、一晩中、話し合って決めました。さすがに、まだ警察を辞める覚悟はないけど、息子たちだけでなく、子供を、守りたいから……」



「……愛依……」



翌朝、私は坂田署長の元へと出向き、辞令を撤回し、異動願いを提出した。

最短で、異動出来る卑怯な手を使ってでも、私は刑事課を去ると決めたんだ。



「斗志樹が刑事課の課長を兼務しても良いと言ってますし、刑事課は大丈夫です。なので、よろしくお願いします」



「…………。わかった。地域課の課長と至急話して、交番所長のポストを用意させる。愛依はキャリア組だから、ただの巡査と肩を並べて仕事するにも、勿体ないからな」



「お心遣いに、感謝します」



「……惜しくてならないけどな」




「……すみません……」



坂田署長に頭を下げ、私は朝礼へと向かう。

みんなへの報告も済ませ、磯村さんへの引き継ぎなども、今日1日だけで全てを済ませた。

定時で上がり、悠斗のお迎え。

子供たちと密な時間を過ごし、家族4人で枕を並べて眠る。