祖父が聞き出した悠斗の連れ去られた場所は、まさかの母親の元彼の済むアパート。

ブチ切れた父親が駆け付け、扉をぶち破って突入すると、元彼の後妻という40代の女が、泣き叫ぶ悠斗を抱き締めてた。



「離して……っ!パパ!ママぁー!ヤ-ダ!パーパがい゛ーのっ!ママがいーの……っ!!」



「てめぇ!どこまで芽依実を苦しめるんや!!」



「苦しめる?違うだろ。これはたまたまで、ババアになったこいつを、途中まででも抱かねぇし、興味も――…」



--パリーン…ッ



「何すんだてめぇっ!刑事だからって、人ん家を壊すのかッ!!」



「――あ?人の息子を誘拐し、義理でも俺の母親を貶すようなお前に、ガタガタ言われたくねぇんだよ」



「……っ、」



母親がこの場に居なくても、侮辱する男に、私たち家族はこの上ない怒り。

父親が完全に手が付けられない程に暴れるかと思えば、斗志樹が灰皿を窓に投げ付け、そして男を黙らせた。

怯んだ女の隙を見て、斗真が悠斗を女の腕から連れ出してくれ、私は悠斗を抱き締める。



「ごめんね……っ、ごめんね、悠斗……っ……」



「ママぁ゛ー……っ!!」



母親より、この男より、悪い。

母親として、私は間違ってしまった。

…悠斗……。

ごめんね……。