…お願い……。

どうか、無事で居て……。

車の後部座席へと乗り込み、とりあえず保育園へと行き、情報収集。



「外遊びしてて……。悠斗君もお庭を駆け回ってて……っ!でも……、でも……!!」




「慣らし保育の子が居るんですが、お迎えが遅れてるお母さんがいらして、門の鍵を開けたままにしてしまってて……。そこから入って来た1人の女性が、悠斗君を抱いて、連れ去ったとか……。こちらの不注意です……。本当に、申し訳ございませんっ!!」



「黒田さん、ごめんなさい……っ!!」



動揺してる悠斗の担任の先生に変わり、園長先生の話を聞き、私は刑事として頷きながらも、母親の感情も隠しきれず、こみ上げる涙を必死に堪える。



「愛依……!!;;」




「……ッ……、」




「今、園長先生から聞いた話は――…」



駆け付けた斗志樹の声に、堪えてた涙が流れ出した。

歯を食い縛り、先生方に背を向けて、涙を止める方法を探す。



「怪しい女や車に、片っ端から声を掛けさせろ。山下は俺ん家に行って、逆探を設置させ、お義父さんに協力を得て、交友関係を洗い出してくれ」



「了解」



…交友関係……。