立ち上がり、痛みに顔を歪めながら七星に銃弾を抜かせてる課長を見つめる。

何故か悠呀と重なるも、すぐに課長だけに見えて来る。



「病院、行きますよ」



課長の腕を引っ張り、車へと向かう。

傷口を縫って貰わないと。

現場を任せ、自らの運転で警察病院へと行き、すぐに治療して貰う。

2針だけ縫うらしいけど、課長本人はもう大丈夫そう。

待合室で、窓から射し込む夕陽を見ながらボーッとしてると、悠呀が現れた。

近付くと、笑って一歩離れて行く。



「……悠呀……?」



…どうして、離れて行くの?



―あいつを頼んだ。愛依やったら、俺も安心するしな―



「あ、あいつ……?」



―斗志樹と仲よーしてやってな……―



「……悠呀……!」



…悠呀……。

目の前に居た筈なのに、パッと悠呀が消えた。

さっきまで居たのに。

…“斗志樹と仲よーしてやってな”って、何?

何でもっと、話してくれないの?



「何してる」



「悠呀が……。いや、何でもないです……」



預かってたジャケットから、財布と携帯だけを返して、会計へと向かう。

銃弾で開いた穴を、署に着いてから縫おう。