--プップー…ッ



『緊急事態発生。緊急事態発生――…』



「……久々だな」



『所内に爆弾を仕掛けたと入電。手の空いてる署員は直ちに捜索。刑事課の処理班は――…』



「磯村さん、臼杵でお願い」



「「了解」」


--プルルル…ッ



「はい、刑事課」



「…………?」



「……誘拐……?わかりました。急行します」



斗真の勘が当たったのか、一気に緊張感の高まる刑事課。

ただ、電話に出た七星の声が震え始め、落ち着かせた筈の心臓が再び暴れ出す。



「……どうした、七星」



「誘拐事件発生!木ノ島東保育園の年少、黒田悠斗君4才です……っ!」




「え……?」



「……悠斗……?」



「主任!斗真君!」



「課長に連絡!生安の課長に応援要請!情報を再度収集し、巡回中の警らにも協力求めろ!!」



「――はいっ!」



斗真の声を聞きながら、私は携帯片手に車へと走る。

七星が斗志樹に連絡をしてくれてる為、まだ詳細がわからない為、父親に愛有斗の傍から離れないよう、外出を控えるように電話。

また、念には念をで、母親に寧々の安全確保をさせるようにも頼んだ。