「後もう少しで、斗真君とお別れか」



「またすぐ会えますよ。あの人、呼び付けそうじゃないですか」



「確かに!」



「――黙って、仕事しなさいよ!;;」



数日後の朝。

相変わらずの、異動のネタを話す斗真と臼杵。

そろそろ、私も耳にタコ。

例え父親に言われたからとしても、引き受けたのは自分の判断。

それに本庁の課長を、私がいくら同じ刑事課長としても簡単に呼ぶと思ってるのか。

私が斗真に従う事になるに決まってる。



「今日は平和だね」



「確かに。けど、こういう日って、危ないニオイがしますよね」



私の注意に、あからさまな感じで話を変える2人に、もう溜め息しかない。

異動ネタを取り上げたら、その話しかないのか。

あまり良い話じゃない。

午前中は出動などなく、確かに静かで平和であったけど、斗真の一言が余分だった。



「合同の課長会議行って来る。後は任せた」



「はい。いってらっしゃい」



今日はいくつかの警察署の課長が集まっての会議があり、斗志樹は会議後に直帰。

滅多になく、私の頭を撫でて行く為、心拍数が上昇。

みんなの前で、恥ずかしかったせい?