反抗期なんて誰にでもあり、私は母親より怖くなかった父親に向いただけで、誰しもがそんな酷い事を言うわけじゃない。

寧々が言うとも……思えないし、私を引き合いにしなくても;;



「こっから、斗志樹と斗真の熾烈な戦いが始まるな」



「“熾烈”って、どんな感じですか!?」



「せやな……。嫁が旦那に優しく、他人に厳しくなって。蹴落とし合うんや」



「それ、俺、負け戦……」



「どの口が言うんや斗真」



「この口だろ!寧々に避けられ、姉貴に蹴落とされて、俺は……」



「気にするな、斗真」



「気にするだろ……」



「俺とお前には年の差がある。お前は俺の後継者として動けば良い」



「……それはそれでどうなんだよ!;;」



「――嫌なのか」



「が、頑張ります!;;」



警視総監を目指してるとは、言った事のない、寧ろ出世コースを外れてるようにも見えた斗志樹の鋭い眼差しは、斗真より上に居ると言う強い気持ちが窺えた。

それならそれで、私も支えないといけない。

私はなれるかもわからないポジションだし、母親みたいに“警視総監の妻”として隣を歩くのも悪くない。

…ふふふっ。



「「「『…………;;』」」」



…ならせてあげよう、警視総監!!