「わかってても、辛いですよ。この今のメンバーでずっと一緒なんて無理でも、何で今何ですか?今の私たちに、不足ないじゃないですか!」



「だからなんじゃないの?」



「え……?」



「考えてもみなよ。前の課長や、先輩たちが異動になった時、やっと私たちの時代が来たと思った。世代交代した事で、窮屈な中で仕事をしなくても済むって。そこに斗志樹が来て、最初はどうなるかわからなかった。不安もあったと思う。だけど、違うよね。1人1人が確実に成長しながらも、お互いに助け合って来たよね?それはきっと、もう誰にも、変えられないんじゃない?磯村さんか斗真のどちらかが、みんなの上に立っても。どこの部署にも、カラーがある。それに後から来た者は、従い、馴染むんだから」



「ご両親たちみたいに、一緒に居なくても良いんですか?こんなに早く離れても、寂しくないんですか?」



「寂しくても、私たちの上司に変わりはない」



「そんな……っ」



「それに私は、斗志樹と結婚して、斗志樹の子供まで産めただけで、幸せだから」



「「「『…………!』」」」



離れて惜しい事なんて何もない。

帰る場所も、同じだし。