怒りの感情は沈み、ニヤけそうな頬を手で揉んで押さえてると、臼杵だけは唇を尖らせてる。



「臼杵?」



「あ……はい」



「どうかした?」



「……何か、まだこの人は課長が好きなんじゃないかと思って。また何か起こらなきゃ良いなーって思っただけです」



「あぁ、まぁ……」



私も、斗志樹が好きで近付いたように思う。

だけど、小宮とは違うと思う。

イケメンなら、良いんじゃないかって。



「それ、俺に気はないって事?」



「んー……。課長には、ただ去る者が恋しいってだけの話かも知れないし、詳しくはわからないよ?けど、七星君はイケメンだし、優しいから、利用されるだけじゃないかな……」



「ないんだ……」



「俺ら……帰るか;;」



「「「『おー!;;』」」」



気まずい雰囲気に、ゾロゾロと刑事課を出て行く高校生たち。



「……俺も、帰ろ……」



「ま、まだ……!;;」



「姉貴。今日だけ、許してやれ;;」



イケメンなのに、恋愛経験の少ない七星。

その落ち込みように、定時を迎えてないものの、止めるのを止めた。

あの落ち込みは、相当、好きになって居たのかな……。