「難波さん、お話ししましょうよ!斗志樹さんの事でお話しする事がいっぱいありますよね?」



「何の騒ぎなんだ」



叫ぶ小宮さんの声が、課長室まで聞こえたのか、斗志樹が何事かと出て来た。



「斗志樹さーん!!」



狂ったおもちゃか。

もう、何かわからない。

斗志樹に気付いて、取り押さえられながら笑顔で手を振る彼女に、周りなんて見えてない。

斗志樹を狙い、私に嫌がらせをする。

ストーカーの特徴に当て嵌まる事も踏まえて、イタズラ電話や贈り物の首謀者は彼女だと断定。



「斗志樹さん!今日、病院に行って来ましたよ!貴方の赤ちゃん、出来てましたよ!」



「……恋愛妄想もヤバいな」



斗真が呆れながら、小宮に近付いて行く。



「私が呼んだのは貴方じゃないわ!」



「刑事がストーカーなんてみっともない!とっとと帰れ!迷惑だ!」



斗志樹しか見えなくなってたのか、斗真を視界に入れた瞬間に豹変した態度。



「ストーカー?どっちがよ!私の斗志樹さんを奪った貴方のお姉さんの方が、よっぽどストーカーだわ!」



「…………」



これは恋愛妄想によるものだとわかってても、気が狂いそうになる。



「斗志樹さんと愛し合ってる私に嫉妬して、邪魔しないて貰いたいわね!」



最後に会った日から、こうなるなんて。

彼女の嫉妬が恐ろしい。