「悠呀と俺は同期だ。共に白バイ隊、警らと進んで、俺は刑事課に配属された」



「……そう、だったんですか」



確かに、白バイ隊から警らになってる。

白バイ隊を続けなかったのは、確か勤務中に同期と……。



「悠呀が白バイ隊を辞めたのは、課長と……?」



「外で“課長”は辞めろ。それに俺らが警らに移ったのは、あいつのせいではない。暴走族に挟み撃ちされた時、悠呀は後退するしかなかった。しかし、合図がなく気付かなかった俺は、スピードを落とさなかった。それで接触した」



「それで、悠呀は大腿骨を折ってたんですね」



まだ付き合う直前だった。

悠呀から入院したと連絡が来たのは翌日で、凄く心配したのを覚えてる。

…あれ?

その時って……。



「意識不明になってた同期って、黒田さんだったんですか?」



「あぁ。頭を打った挙げ句、雑魚に背中を焼かれたら、嫌でも意識が飛ぶ」



「…………」



こんなにも重傷だったら、悠呀が自分を責めても仕方がない。

私が同じ立場だったとしても、自分を責めたよ。

…もっと話を聞いてあげてれば良かったのかな……。



「警らに移って2ヶ月、あいつは謝ってばかり。それから逃げるように、刑事の昇進試験の話が来て、離れた」



いつもと変わらない、笑みのない表情。

でも、目が潤んでるように見えた。