「それ思った。もう完全にストーカーだしな」



「別に全てがあの子って決まってないでしょ」



「じゃあ他に誰が?」



「理由は何なの?」



クリスマスイブ以降も、何だか見られてるような気がしてならない。

マンションと良い、ここではさすがに覗かれてる感はないけど、車で移動中とかに。

けど、私は電話以外で誠君とは思ってない。

彼にそんな勇気があるとは、やっぱり思えないんだ。

ましてや電話だって、何だか声がちょっと違う気がして、別に誰か居るかもと考えてる。

声の特徴は似てる。

高めの声で、震えがちな声。

だけど、今回の電話の声は高めの声だけど震えてはない。



「だいたい、誰が私のデスクナンバーをネットに流してるの?この署内に裏切り者が居るって事でしょ?殴り飛ばしたいんだけど」



「姉貴も災難だな?これって幸せ妨害されてんじゃねぇの(笑)」



「……そうなの?」



寧ろキューピッドにしか思わないけど。

愛を深めてくれてありがとうとしか。

これで別れるとか相手の思う壺だし、こんな事では弱気にならない。

何故、結婚までしたのに離されなきゃならないのか。



「こうなったら、結婚式やって写真ばら撒けば良いんじゃね?」



「嫌だね。絶対、暇が出来たら沖縄でするんだから」



「その我が儘は夢のままだな」



…我が儘じゃなくて、それが夢だから!

ドラマで見たあのチャペルで結婚式を挙げると、小さい時から決めてた事。