「祖母様!私たちもあるよ!」



母親がバックを肩に下げて父親に見せてると、寧々もプレゼントを持って来た。

多分、寧々が描いたであろう母親の似顔絵が描かれた白い紙袋。



「寧々、これを祖母様に??」



「寧々とママで決めたの!」



今の時期にピッタリなロングコートは、黒コーデの多い母親だが、実は一番似合うホワイト。

しかし、ホワイトを着る人ではない為、蘭々ちゃんはアイボリーを選んだのだろう。



「良いじゃん!お母さん、似合うよ」




「そう?じゃあ明日から着ようかな!冬休みに入るけど、普段使いも出来そうじゃない」



「そうだ……お母さん?」



頷こうとした私の正面で、笑顔で喜ぶ母親。

その母親の頬が上がった。

左右同じ高さで揃った。



「ちょっと!痛いじゃない!」



「痛いの?お母さん、痛い!?」



「あ……!ちゃんと痛かったわ!」



神経がちゃんと繋がったとか、治ったとかはわからない。

しかし、以前に感じてたという違和感からすると大きな進歩。



「良かったね!凄いよ!!」



「動いたんだ……っ」



私が抓った頬を撫でながら、嬉しそうに父親を見つめる母親。

父親は母親の手を退けて、自身の手でその頬に触れた。

両親のイチャイチャ姿から目を背けるも、斗志樹に喜びをぶつけた。