携帯をカウンターに置き、出来た料理から運んでると、寧々は父親に体当たりをしながら、まだ聞き出そうとしてる。



「もう諦めろ、寧々」



「嫌!祖父様のプレゼント知りたい!」



「せやから那維斗君やろ」



「どっちでも一緒!」



…間違いない;;

確かに那維斗という名前だが、寧々にとってはお祖父ちゃんである。

母親は祖母様と呼ばれる事に抵抗はないらしいのに、何がそんなに嫌なのか。

良い歳して頑固なお祖父ちゃんを持って、可哀想な寧々。

--ブーッブーッ

≪噂するな≫

…今はしてないのに、何でこのメール?;;

無性にスマホを叩き割りたくなったが、ここは我慢しなければ。

スマホを壊したらここまで押し掛けて来そう。

それこそ危険度が高い。



「はーい!ローストビーフも出来ました!」



最後のメニューも完成し、リビングでテーブルを囲む。

既に男共が呑み始めてる為、乾杯は省かれた。

ビール片手に料理を摘まむ。

斗志樹が元々住んでたマンションでの新婚生活。

「そこまで頑張らなくて良い」と斗志樹は言ってくれるけど、妻としての役目をきちんと果たしたくて、手抜きしない用ようにしてる為、久しぶりにビールを呑んだ。

山下家と違い、ここは室内での喫煙可能。  

ただ寧々が居る為、窓を全開にし、輪から離れて煙草を吸う。

だいぶあのマンションにも慣れたけど、実家は実家で落ち着く。