他にも唐揚げやお刺身、サラダなどを作る。

謙遜してるだけで、蘭々ちゃんは料理の手際の良さがわかる。

21歳と若くして結婚したとは言え、4年間も主婦をして来た子。

見習う点がたくさんある。



「ねぇ、祖父様!」



「那維斗君」



「ねぇ、那維斗君!祖母様のプレゼント何!」



「言わへん」



「何で!」



着実に進む調理。

お喋り上手な寧々が父親と言い合いを始めた。



「お兄ちゃんは教えてくれた!」



「斗志樹叔父ちゃんの口が軽いんやな」



「言いなさい!」



「断る」



3才児とやや本気で言い合う父親は、また誰かさん(お祖父ちゃん)に似て来たような。

でも、毎回“他人なんだけどね”と自分に言い聞かせる。

--ブーッブーッ

≪噂したか≫

バイブ設定した携帯。

届いたメールはお祖父ちゃんから。

…この人、怖い;;

年々、鋭くなってて怖い。

監査について、母親に言われて調べたと思えば、指示を出した人事担当者を脅して出社拒否にさせるし、同じ人間であるのかすら悩む。



「お義姉さんどうかしました?お顔、真っ青ですけど;;」



「見てよ、これ;;」



心の中で思った事を補足しながらスマホ画面を見せると、蘭々ちゃんは「さすが……;;」と言って黙った。

…こんな家族で申し訳ない;;