冥王星

食堂はごったがえしていた。
そんな中、たまたま隣の席に
ニコルがいた。

「おう。おかえり。
どうだった、別荘暮らしは。」

「あんたも一日入ってただろ?」

ニコルはふん、と鼻を鳴らした。

「結局、貴様が最初に言ってた
通りになったよ。」

「何がだよ。」

「大聖堂だよ。」

「ああ、どうなったんだ?」

「壊れた部分も含めて前身を
取り壊すことになったんだ。

どっちにしろ、もう土台が
限界に来ていた。
壊したあとはテラスにするんだと。」

「そうか。
じゃあ、それでよかったんだな。」

「神の計画か。

又三郎が来てから、
俺はいいところなしだ。

省みの部屋にまで入っちまって。」

俺は又三郎を自分のものに
しているという優越感から、
ニコルに対して余裕が出た。

「それはあんたが寮長としての
責任をきちんと負っているって
ことだよ。

又三郎が襲われた時も、
聖堂が壊れた時も、
責任を他の者に転嫁することも
できたじゃないか。」

「責任をとるのは当たり前のことだ。

又三郎は今俺と同室にしたんだ。
また問題が起こると厄介だ。」

ニコルも又三郎に気があるらしいが、
又三郎の方は関心がない。
ただ、ニコルと同室となると、
夜中に抜け出すのは難しい。

「もう誰も又三郎に悪さしようなんて
思わないだろうよ。
あの、破壊力を見たら。」

「まあ、そうだな。」


その時、又三郎が机を片付けに
やってきた。

「ミゲーレ、さっきはごめんね。」

小声で言った。

「俺が馬鹿なことしたんだ。」

又三郎はすぐに去った。

ニコルは不思議そうに
このやり取りを見ていた。


朝食のあと、銀行に行った。
ゲドウの言うとおり、
俺の帳面には
10振り込まれていた。

これではちゃんと勤めを
果たさなくてはならない。

何の気なしに
引き受けた仕事だったが
やってみると
案外つらくて、気が重くなった。