俺は床に広げた葉書を一枚ずつ
集めていった。
ありがとう。
といって手渡した又三郎の手は
ひどく荒れていた。
「この手・・・」
「皿洗いで、荒れちゃった。」
「大変だな。厨房係。」
修道士の使徒職とよばれる
職種はオーベール師が決める。
ここでは働き盛りのものは
たいてい建物の増築、修復作業に
あたっていた。
だが、又三郎のように、
爆弾を抱えたような者を工事現場に
置くのは危険とされたのかもしれない。
だけど調理師といっても、
ここには100人近くの修道士がいる。
その食事の支度は重労働だろう。
又三郎の華奢で大きな手は
関節の部分が擦り剥けて赤くなっていた。
俺はその手を取った。
「あっ。」
又三郎が声をあげた。
体に電撃が走っている。
遠くで稲妻が聞こえた。
俺は又三郎の傷ついた手を
自分の顔につけた。
俺の摩羅は屹立していた。
たぶん、
又三郎も同じだ。
だけど今はこれが限界だ。
俺はトラビスに教えてもらった
回復魔法を唱えた。
「あ、ミゲーレ。」
ゆっくりと手を顔から離し、
今一度ながめてみる。
「治った。きれいになった。」
「そっちの手も、貸してみろ。」
又三郎が反対の手を出す。
同じように呪文を唱えると、
やはり手は治った。
「ありがとう。ミゲーレ。
よかったね。回復魔法使えたね。」
「うん。」
俺は又三郎の手を離さなかった。
又三郎は俺の手を握り返した。
この小さな空間の中は
上気した呼吸で満たされていた。
今はもう、これだけで充分だ。
集めていった。
ありがとう。
といって手渡した又三郎の手は
ひどく荒れていた。
「この手・・・」
「皿洗いで、荒れちゃった。」
「大変だな。厨房係。」
修道士の使徒職とよばれる
職種はオーベール師が決める。
ここでは働き盛りのものは
たいてい建物の増築、修復作業に
あたっていた。
だが、又三郎のように、
爆弾を抱えたような者を工事現場に
置くのは危険とされたのかもしれない。
だけど調理師といっても、
ここには100人近くの修道士がいる。
その食事の支度は重労働だろう。
又三郎の華奢で大きな手は
関節の部分が擦り剥けて赤くなっていた。
俺はその手を取った。
「あっ。」
又三郎が声をあげた。
体に電撃が走っている。
遠くで稲妻が聞こえた。
俺は又三郎の傷ついた手を
自分の顔につけた。
俺の摩羅は屹立していた。
たぶん、
又三郎も同じだ。
だけど今はこれが限界だ。
俺はトラビスに教えてもらった
回復魔法を唱えた。
「あ、ミゲーレ。」
ゆっくりと手を顔から離し、
今一度ながめてみる。
「治った。きれいになった。」
「そっちの手も、貸してみろ。」
又三郎が反対の手を出す。
同じように呪文を唱えると、
やはり手は治った。
「ありがとう。ミゲーレ。
よかったね。回復魔法使えたね。」
「うん。」
俺は又三郎の手を離さなかった。
又三郎は俺の手を握り返した。
この小さな空間の中は
上気した呼吸で満たされていた。
今はもう、これだけで充分だ。

