冥王星

修道院の上層者たちが住む宿舎があった。
トラビスの部屋はその中のどこだかわからない。

宿舎に入り込む。
寝室は二階のようだ。

トラビスは上層部の中では一番の若年だから、
きっと一番手前の部屋の手前のベッドに寝ているのではないか?

俺は足音が響かぬよう、つま先でゆっくりと階段を昇った。
廊下には部屋が並んでいた。

一番手前の部屋の扉を静かに開けた。
西洋の扉は重い。

部屋の中を見ると、すでにトラビスは体を半分起していた。
俺が忍び込む気配を感じ取っていたか。
あまり夜、ぐっすり眠れていないのかもしれない。

俺は無言でトラビスを呼んだ。
トラビスは起床して部屋の外へでてきた。

俺は用心して、階下までトラビスを呼び寄せてから話し出した。

「通用門に、マリアが来ている。」

「今?」

俺がうなずくと、トラビスは走り出した。

(なんだ、決めるのは本人だとか言ってる場合じゃなかったな。)

後から通用門に行ってみたが、二人の姿はなかった。
通用門の鍵はあけたままにした。