「私は、子供の頃から
弟に女の子のような面が
あることに気づいていました。
ですからあなたとの関係も、
ただの修道士のお仲間と
いうわけではないことも
存じております。
弟の文面から、
なにか不自然さを感じたのです。
本当にあなたが、
弟を裏切るような行為をしたのか。」
「ええ。とある、
ひねくれた男がいまして、
そいつがくだらない嘘を
吹き込んだのです。」
「そうだったのですね。
そんな、嘘を信じてしまうなんて。」
アイリスは児を抱いたまま
立ち上がった。
「ミゲーレさま、どうか弟を
許してください。」
俺に向かって頭を下げた。
俺も立ち上がった。
「アイリス、顔を上げてください。」
「弟はあなたをお慕いするあまり、
目が曇ってしまったのですわ。
そして独占したいという気持ちから
死に至らしめようと・・・」
「大丈夫です。
その時は何も起こらなかったんです。」
「ええ。手紙にもそうありました。」
「ただ、弟さんが自覚しているかどうか
わかりませんが、弟さんの魔力が、
私に移譲されたのです。
つまり私が弟さんの魔力を
すっかり吸い取ってしまったのです。」
「まあ。では弟は、
魔力がなくなったのですか?」
「おそらくそう思われます。」
アイリスは脱力して
椅子に掛けた。
危うく抱いていた児が
滑り落ちそうになるのを
抱えなおした。
「それで、ミゲーレさまは
ご無事ですの?
弟の魔力を吸い取ってしまって。」
「はい。なんとか。
最初は何が起こったのかわからず
戸惑いましたが、
今は魔法として魔力を
使えるようになりました。」
「そう。よかったわ。」
アイリスは児をよりそうように
抱いた。
「魔力がなくなれば、
あの子は普通の人間として
生きていけます。
それがあの子にとっては
幸せだと思います。」
「そうか・・・」
「もはや、
ここに閉じ込めていなくても
弟には
さまざまな選択肢ができた
ということだわ。」
「そうですね。」
「でも弟は、
今の厨房の仕事が
好きみたいだわ。
それにあなたのような
お方のそばにいられて
きっとうれしいでしょう。
だからきっと
弟を許してくださいね。」
「そうします。」
弟に女の子のような面が
あることに気づいていました。
ですからあなたとの関係も、
ただの修道士のお仲間と
いうわけではないことも
存じております。
弟の文面から、
なにか不自然さを感じたのです。
本当にあなたが、
弟を裏切るような行為をしたのか。」
「ええ。とある、
ひねくれた男がいまして、
そいつがくだらない嘘を
吹き込んだのです。」
「そうだったのですね。
そんな、嘘を信じてしまうなんて。」
アイリスは児を抱いたまま
立ち上がった。
「ミゲーレさま、どうか弟を
許してください。」
俺に向かって頭を下げた。
俺も立ち上がった。
「アイリス、顔を上げてください。」
「弟はあなたをお慕いするあまり、
目が曇ってしまったのですわ。
そして独占したいという気持ちから
死に至らしめようと・・・」
「大丈夫です。
その時は何も起こらなかったんです。」
「ええ。手紙にもそうありました。」
「ただ、弟さんが自覚しているかどうか
わかりませんが、弟さんの魔力が、
私に移譲されたのです。
つまり私が弟さんの魔力を
すっかり吸い取ってしまったのです。」
「まあ。では弟は、
魔力がなくなったのですか?」
「おそらくそう思われます。」
アイリスは脱力して
椅子に掛けた。
危うく抱いていた児が
滑り落ちそうになるのを
抱えなおした。
「それで、ミゲーレさまは
ご無事ですの?
弟の魔力を吸い取ってしまって。」
「はい。なんとか。
最初は何が起こったのかわからず
戸惑いましたが、
今は魔法として魔力を
使えるようになりました。」
「そう。よかったわ。」
アイリスは児をよりそうように
抱いた。
「魔力がなくなれば、
あの子は普通の人間として
生きていけます。
それがあの子にとっては
幸せだと思います。」
「そうか・・・」
「もはや、
ここに閉じ込めていなくても
弟には
さまざまな選択肢ができた
ということだわ。」
「そうですね。」
「でも弟は、
今の厨房の仕事が
好きみたいだわ。
それにあなたのような
お方のそばにいられて
きっとうれしいでしょう。
だからきっと
弟を許してくださいね。」
「そうします。」

