冥王星

食事が済むと俺は
オギ副院長の執務室を
たずねた。

「オギ先生、
少しお時間を
いただけませんか。」

「まあ、どうしたの?
よろしいわよ。」

俺を執務室の
ソファーに座らせ、
自分の仕事を片付けると、
俺の斜め横に腰掛けた。


「今日、
又三郎にお会いに
なりましたか?」

オギ副院長は
真剣な顔になった。

「ええ。いつものように、
魔法の講義を受けに
来たわ。」

「その時、何か
又三郎に変化は
ありませんでしたか?」

オギ副院長は手を組み
その上に大きな顔を
乗せた。
しばし物思いにふけった。

「力が消えていた。」

つぶやくように言った。

「又三郎の魔力が
ですか?」

「そうなの。」

やはり、又三郎の魔力が、
俺にそのまま移行
したのだろうか。

「あなたがここに来た
ということは、
なにか思い当たる
ことがあるの?」

「はい。
魔法が使えなかった私が、
魔法を使えるように
なったみたいなんです。」

「ちょっと、
見せてもらえるかしら?」




俺とオギ副院長は
聖堂の取り壊し現場に
来た。

ここには瓦礫が
ごろごろしているので、
魔法を試すには
うってつけというわけだ。

火炎、氷、雷、風、
そして破壊物理、

すべての攻撃魔法の
すべての呪文を唱え、
それは成功した。