俺の体が震えている。
体の中に、
何か危険に満ち満ちた
力が宿っている。
胸から何かせりあがってくる。
それを必死でこらえた。
何が起こっているんだ?
俺の横にはゲドウが座っている。
殴り飛ばした。
ゲドウの体は部屋の端まで飛んだ。
それきり動かない。
「また殴ってしまった。」
俺は一人つぶやいた。
めまいがして、立ち上がれない。
俺はしばらくうずくまっていた。
懐中時計に目をやる。
もう時間だ。
現場に行かなくては。
俺はなんとかローブを
身に着けた。
這いつくばって工房を出、
壁にもたれながら、
やっとのことで階段を昇った。
時間に遅れて現場に着く。
巨大なハンマーで
石壁を叩き壊すのだが、
その手がなんとも
おぼつかない。
てこを使って、
大きな瓦礫を海に落とした。
瓦礫がしぶきを上げて
海に突入するさまを
ぼんやり見ていると、
ふいに背中を強く叩かれた。
ニコルだった。
「どうしたんだ?
ぼんやりするんじゃない。」
俺はそこそこに返事をして、
作業を続けた。
しかし、作業の手は
止まりがちだった。
何か、いつもと違うのだ。
ぼんやりしてしまう。
するとまた、
ニコルがやってきて言った。
「今、現場監督とも話してきたんだが、
貴様はもう今日は帰っていい。
貴様みたいな奴がいると危ないからな。
宿舎で休んでろ。」
トラビスもやってきて言った。
「大丈夫か?具合が悪い?」
「大丈夫だ。」
そう言って
俺は老人のようにゆっくりと
歩を進めた。
又三郎が俺を殺そうとした?
はじめて、
自分の意思で魔力を操り、
本気で俺を殺そうとした。
あの肉食獣のような顔が
頭から離れない。
そして、この俺の中に、
満ち満ちている力のようなもの。
何か、暴走しそうな、
危険を孕んだ、衝動のような。
そして、時に
胸から何かがせりあがってくる。
何だろうこれは。
俺は宿舎の裏にある、
城壁に縦に割れ目の入った
抜け口に来た。
ちょうど大人一人が
かがんで出入りできる大きさだった。
夜、宿舎から抜け出して、
遊びに行く時にここを使うのだ。
俺はその場で
黒いローブを脱ぎ捨てた。
おれは生成りの下着姿で
抜け穴をくぐりぬけた。
体の中に、
何か危険に満ち満ちた
力が宿っている。
胸から何かせりあがってくる。
それを必死でこらえた。
何が起こっているんだ?
俺の横にはゲドウが座っている。
殴り飛ばした。
ゲドウの体は部屋の端まで飛んだ。
それきり動かない。
「また殴ってしまった。」
俺は一人つぶやいた。
めまいがして、立ち上がれない。
俺はしばらくうずくまっていた。
懐中時計に目をやる。
もう時間だ。
現場に行かなくては。
俺はなんとかローブを
身に着けた。
這いつくばって工房を出、
壁にもたれながら、
やっとのことで階段を昇った。
時間に遅れて現場に着く。
巨大なハンマーで
石壁を叩き壊すのだが、
その手がなんとも
おぼつかない。
てこを使って、
大きな瓦礫を海に落とした。
瓦礫がしぶきを上げて
海に突入するさまを
ぼんやり見ていると、
ふいに背中を強く叩かれた。
ニコルだった。
「どうしたんだ?
ぼんやりするんじゃない。」
俺はそこそこに返事をして、
作業を続けた。
しかし、作業の手は
止まりがちだった。
何か、いつもと違うのだ。
ぼんやりしてしまう。
するとまた、
ニコルがやってきて言った。
「今、現場監督とも話してきたんだが、
貴様はもう今日は帰っていい。
貴様みたいな奴がいると危ないからな。
宿舎で休んでろ。」
トラビスもやってきて言った。
「大丈夫か?具合が悪い?」
「大丈夫だ。」
そう言って
俺は老人のようにゆっくりと
歩を進めた。
又三郎が俺を殺そうとした?
はじめて、
自分の意思で魔力を操り、
本気で俺を殺そうとした。
あの肉食獣のような顔が
頭から離れない。
そして、この俺の中に、
満ち満ちている力のようなもの。
何か、暴走しそうな、
危険を孕んだ、衝動のような。
そして、時に
胸から何かがせりあがってくる。
何だろうこれは。
俺は宿舎の裏にある、
城壁に縦に割れ目の入った
抜け口に来た。
ちょうど大人一人が
かがんで出入りできる大きさだった。
夜、宿舎から抜け出して、
遊びに行く時にここを使うのだ。
俺はその場で
黒いローブを脱ぎ捨てた。
おれは生成りの下着姿で
抜け穴をくぐりぬけた。

