俺は。
俺の誇りは…。
生きる意味は…。
―――………オ゛オオオオオオオオアアアア゛アアア―――――………
全てを揺るがす叫び、咆哮。
怪物の呻き。
目の前に迫り来る、真っ黒な、巨大な口は………キーツの視界を満たしていく。
異臭を放つ生暖かい吐息が、全身を舐めていく。
何重にも並んだ鋭利な歯には、罪無き者達の古い人骨が、魂が、虚しさが……絡み付いている。
俺の、生きる意味は。
キーツは、憎悪に満ちた青白い眼球をキッと睨み付けた。
砂埃が、砕かれた小石が、破片が、身体にパシパシと跳んで来る。
―――イヨルゴスの牙が、目と鼻の先にあった。
上の牙が、頭上を越えていく。
下の牙が、足元の地面ごと削っていく。
横に大きく裂けた口の隙間から、外の景色が消えていく。
消えていく。
食われる。
………まだだ。
まだ。
………視界の隅から、白い閃光が飛来した。
それは真直ぐに、キーツの元へ。

