ローアンの表情は……殺気立ったものから…悲しげな、切ない表情へと変わった。
「………………貴方は……女王陛下……カルレットを………………………………憎んでいたのですか……?」
「―――………………………………フッ…………何を言うかと思えば………」
クライブは鼻で笑い返したが、ローアンは……真剣だった。
「………………お母様が………ずっと……憎かったのですか…?」
「……………下らんな……」
足元の魔方陣が、一瞬で二重になった。
徐々に濃く、大きさを増していく魔方陣。
………同時に胸中で抱く恐怖感も増していったが……今はそんなもの…どうでも良かった。
…………ただ…知りたかったのだ。
その真意を………。
「…………お母様と貴方は…………………一度は……将来を誓い合った仲…だったのでしょう?…………狂王を…52世を恨むのは分かります……でも………………お母様は……」
――突然、目線の高さに、長い古代文字が浮かび上がった。
それは魔方陣の円に沿って、ゆっくりとローアンの周りを回る。
「……………どういう立場に立たされているのか………あまり理解していない様だな…………」
静かな、いつもの感情の無い声。
しかし………それは抑制している様な…そんな声音にも聞こえた。
「……………おまえなど……どの術でも簡単に殺せるが…。………特別に………禁術でも使ってやろう………」
………クライブの右手が………闇で覆われた。

