傷を舐めあうための、痛みを分かち合うための、行為。








 果てなく続くその途中で、あたしはあの娘のちいさなまっさらな耳を撫でた。

 穴を開けたいわ。お揃いの硝子玉を飾りましょう。

 あの娘は苦悶の涙を浮かべながら、それでも笑った。

 夢物語と知って笑った。

 夕日に輝いた、お揃いのグロス。

 流れ出す、お揃いのアカ。










 床を染めていく、夕焼けではない、それを、

 あたしたちは、愛だと誤解している。



 泡が弾けるように、硝子玉は割れるのです。