けれどあの人はそれすら許さなかった。

 あたしのこいびとに馴れ馴れしいのよ。はい、その通りです。

 わたしはごめんなさいと呟くしかできませんでした。

 すきなひとに他の女がまとわりついてたらそれはやっぱり嫌でしょう。

 わたしだってそうです。

 だけどそんな気持ち、あらわにしたらキミのそばにはいられない。

 だからわたしは黙るのです。

 ああ、うらやましい。あの人がうらやましい。

 ごぼりごぼりと、嫉妬を吐き出すようにして、わたしは溺れていきます。