まるで催眠術にかけられたように、身体が言うことを聞いてくれない。


目の前のこの人には、そんな特殊な力があるのではないだろうか…−−。



「どい…て…−−。」


黒い真珠の様な瞳から目を離さずに、声を絞り出す。


「なんで?」


ヤツはそんな私を面白がるように、爛々とした瞳で見下ろしてくる。