冷たい氷の娘でも、彼女は小岩井の知らなかった温かな感情を教えてくれた。

家族を知らず、温もりを知らず、幸福を知らぬ小岩井に、人並みの温かさを教えてくれた。

だから。

「貴女だから自分の過去を語ったのです…貴女だから…ずっと傍にいて欲しい…」






まだ暑い夏の夜。

花火だけが知っている、死神と雪娘の一夜の物語…。