絶対、逃がさない!②(短編)

 食器を返したお姉さまは、長い黒髪を揺らしながら、出口に向かっていく。

 時折、女生徒が道を開けたり、挨拶したりしている。

 それに、嫣然と微笑んで答えている、お姉さま。

 ますます、何者? 

 もしかして、学園の影の支配者とか、裏番(いまどき???)とかですかぁ???

 おれの疑問に、海老原はあっさりと、答えてくれた。



「名前わすれたけど、あの人って、うちの学校の生徒会長だろ。

 入学式あいさつしてただろ」

「せ、生徒会長???」



 しらない。ていうか、入学式、ほとんど、寝てたから、ぜんぜん、記憶にありません。

 ああ、でもでもでも、お近づきになりた~い!



 綺麗なお姉さま、大好き。周りを見渡せば、綺麗で可愛い女の子がいっぱい。

 やっぱ、サッカーの名門の推薦おちて、元女子高ってことで、ここにきたけど、やっぱ、きてよかったぁ。

 

 佐藤 要 十五歳(一月生まれのため)。

 明日も、学食にむかって、走ることを決めた。





 

                      完