絶対、逃がさない!②(短編)

 おれはごしごしと、目をこすった。

 いや、やっぱり、ある。どんぶりもある。

 友達のぶんの、食器とか????



「あれ? あの人」



 海老原がおれの視線のさきをたどっていって、お姉さまに気がついて声をあげた。
 


「今日は、どんぶりも食べたんだ。あいかわらず、どこはいるんだろ」

「は? 海老原、しってんの?」



 おれががばっと身を乗り出すと、海老原はうしろにちょっとひいた。


「なんだよ。しってるよ。そりゃね。

 いっつも、学食おれいちばんにつくだろ? あの人は、いつもおれより後にくるんだけど、いっつも食器返すのは、一番なわけだ。

 たまに、遅いときは、別にもう一品、頼んでるときだ。カツどんとカレー。大盛りカレーふた皿とかね。

 早食いの、大食い?

 すごいよな、TVでれそうだよなぁ」

「・・・」


 お姉さま・・・あなたはいったい、何者!?