絶対、逃がさない!②(短編)

 おれは買ってきたバナナオレのパックジュースをすすりながら、海老原に言った。



「ほんと、福田さんって可愛いよなぁ」

「ほれるなよ!」



 こわい顔して、海老原が言う。

 ちょっと、意地悪いいたくなってしまう、いけない、おれ。



「まだ、彼女じゃないくせに、それをいう?」

「ぐっ!」



 さっきの福田さんの態度でわかった。今のところ、海老原の片思いって。

 けど、彼女、天然で、恋愛に関して鈍そうだから、大変だろうなぁ。

 

「がんばんないと、福田さんってもてそうだぞ~」 

「いわれなくても、がんばってるよ」

「じゃ、もっと、がんばれ。そうそう、笠倉理佳さんも可愛かったなぁ」

「・・・」



 これには反応なしで、もくもくと食べている海老原。

 一途なんだ、うらやましい。

 俺の頭は第一が、サッカーボール、ボールは友達恋人。

 そのあとは、女の子たち。女の子、大好き。

 笠倉理佳さんもいいけど、お姉さまもいいなぁ・・・って思っていたらトレーを返却口に返しているお姉さまが見えた。


 あれ、カレー皿、だけじゃなく・・・どんぶりもあるような気がするのは目の錯覚?