絶対、逃がさない!②(短編)

「もう、お弁当ほったらかして、どこいってるのよ! 探したわよ!」

「理佳」



 少し息を切らせながらやってきたのは福田さんといつも一緒にいる女の子だ。



「もう、持ってきてあげたわよ」

「ありがとう」



 うれしそうにいって、海老原さんは理佳とよんだその子にぎゅっと抱きついた。

 女子高のノリ? 

 でも、いいなぁ。おれもぎゅしたいし、してもらいたい。

 

「さてさて、感動の再会はここまでにして、さっさと食べよ。おなかすいちゃった。

 えっと、そっちは海老原くんで、あなたは? ちなみに私は笠倉理佳」



 おれと、海老原の前の席に、座りながら、理佳さんがきいた。

 人見知りっぽい陽菜さんと違って、彼女は物怖じしない性格のようだ。



「さ、佐藤要です! はじめまして、よろしくです!」

 

 ちょっと、声がうわずってしまうおれ・・・。恥ずかしい。

 理佳さんは気にせず、答えてくれた。



「こちらこそ、はじめまして。笠倉理佳ですって、名前はもういったね」

「はい、ばっちし、おぼえました」



 幸せ。幸せ。

 こんな可愛い女の子二人と、ランチしているなんて。海老原もいるけど。

 ときおり、通り過ぎる男子らから、うらやましいオーラと、このやろう視線を感じるが、そんなのぜんぜん、気にしませんから!