うるせーなぁ…なんて思いながら、もう1度寝ようとする。

「なぁ、薫」

隣の席の海斗が耳打ちしてくる。

「んだよ」
「お前がやれよ」
「なにを」
「プリンス役」
「なにバカなこと言ってんだ」

軽くかわして、もう1度寝ようと顔を伏せる。

ガタッ

海斗がいきなり立ち上がって

「おーい、超イケメンの結城 薫くんがプリンス役やるってさー!!」

ガバッと顔をあげ、海斗に近づき声を少しあげる。

「お前なに言ってんだっ」

海斗はニヤッと笑って

「いーじゃん、いーじゃん♪お前がやれば儲かるぜ」
「ふざけたこと言うなっ」

ワナワナと海斗と言い合いしていると

「結城くん!やってくれるの!?」

キラキラしたで実行委員が聞いてくる。

「やら「やるって!」

俺の言葉をさえぎって、海斗が言う。