「で?」
くだらない話ばかりしていて、本題を聞くのを忘れていた。
「え?」
「用があるんだろ?」
「あ、あぁ」
こいつ、ぜってぇ忘れてやがった。
「……」
「……」
沈黙。
しゃべろうとしない麻希を置いて、なにか飲もうと思い立ち上がりキッチンに向かった。
立ち上がって少し歩いたら背中にトンっ、と何かがあたった。
なにか?
何かなんてわかってる。
麻希だ。
後ろの服をギュッ、と握って抱きついているみたいな状態だ。
一瞬どーなってるのか、わからなかった。
けど、すぐにハッとして声をあげた。
「…っ、おい!?」
「お願い。…このまま聞いて?」
「……」
…このままかよ。
なんだか深刻そうな声だから、抵抗しようとしたが、やめた。


