名前の無い物語









ふと鞄を開けると
少年は白い封筒を見つけた

あ…そういえば鞄に入れたままだっけ?


思い出して、少年は封筒を手に取る
どこを見ても、差出人の名前は無し


…何か通販で頼んだっけ?


ーーまた四人で…星を観ようーー


「えっ?」突然頭に響いた声
けれど、自分の席の後ろには誰もいない


気のせいか、と少年は息を吐いた
そして、ビリビリと封筒を破る


…何だろう?

前にも…同じようなことがあった気がする…


封筒が開いた

出てきたものに、少年は目を丸くした


彼の手には…『当選おめでとうございます!強運の持ち主のあなたには、不思議なスプーンをプレゼント☆』と書かれている紙と


普通のスプーン


「…。」

何がどうなってるんだ?


予想外の出来事に少年は言葉を失っていると


「オーイ滝川!次移動!!」

教室の入り口で、少年を呼んでいるさっきのクラスメート

「あぁ、今行く!」

少年はスプーンをしまい
封筒に仕舞い込んだ


空は凄く澄んでいた

記憶の欠片は眠ってしまったけれど


きっとまた…必ずーーー




end