名前の無い物語


少女の明るい声が耳に届いた

「それに、海が無事に帰ってきてくれた…。それだけで、私は幸せだよ?」


自分は何もしていないのに
それだけで…幸せと言ってくれる彼女


自分は恵まれているな、と改めて感じた



「そうだ、この前流星群が降ったんだよ?星組の皆で見ててさ…。」


「流星群?」その言葉に
海はどこか懐かしく感じた


ーーまた四人で…星を観ようーー


そう



そう約束した…気がする


「海?」ハッと少年は我に帰る
少女は首を傾げた


「いや…何か、約束した気がして…。」


大事な約束の筈


けど…一体誰と?


「大丈夫だよ。海にとって大切な約束なら…いつか必ず思い出せるよ。」


少女のその言葉に
少年は安心したように笑った


彼女がそう言ってくれるなら
きっと、信じていれば…


少年は笑顔を浮かべた