名前の無い物語






光が消えると同時に
頭に浮かんだ光景は消えていった

「…今のって…。」

あの日、俺が帰った後
陽斗と伊織の会話…

陽斗の心に闇が生まれてた?
その闇を消すために、陽斗は就任を辞退する?

何もかも
自分が知らなかった二人の話


「吉野…。」

三人にもこの光景は視えていた
吉野の過去知った上で、この映像かは読み取れる真実


「陽斗は、夢を諦めた訳じゃなかったんだ …。」


ただ俺に心配かけたくなくて
それだけだったのに

これは、二人の思いやりだったのに…!!

自分がしてしまった過ちを後悔する吉野の背中を
三人は悲しそうに見つめた

「…なぁ。」

何かを決めたように
吉野はスクッと立ち上がった


「…頼みがあるんだ。」