名前の無い物語


この話を、伊織は発症した時から相談を受けていた
あらゆる文献を読んで対策法を探した

だけど
吉野にだけは…何も言わなかった


「アイツに無駄な心配をかけたくねぇしな。
それに、アイツの純粋な心に…闇が移っちまったら大変だ。」

陽斗はずっとその心配をしていた

吉野の心は…鎖邊博士が狙うほどの珍しい純粋な心
そんな心を大切に思うのは、伊織や陽斗も同じだった

「…だけど、何も言わずに就任を辞退したら…。」

吉野は一体、どう思うのか…

「…別に、俺はマスターを諦めた訳じゃねぇ。」